阿寺山地 高樽山(1672.8m) 2012年4月8日  カウント:

所要時間 5:34 ゲート−−6:03 林道分岐−−8:43 真弓峠−−8:48 尾根取付 9:18−−9:44 県境稜線−−9:59 高樽山 10:20−−10:43 真弓峠−−10:47 1460mで林道を離れる 11:07−−1200mで林道に乗る−−11:59 890m鞍部で林道を離れる−−12:09 林道−−12:11 ゲート

場所長野県木曽郡王滝村/岐阜県中津川市(旧加子母村)
年月日2012年4月8日 残雪期日帰り
天候
山行種類残雪期籔山
交通手段マイカー
駐車場ゲート付近に駐車スペースあり
登山道の有無たぶん無し(積雪でルート不明)
籔の有無残雪で籔無し。無雪期は激笹藪らしい
危険個所の有無無し
山頂の展望展望良好
GPSトラックログ
(GPX形式)
無し
コメント残雪期に真弓峠へ至る林道経由で登る。林道も一部残雪に覆われて新雪ラッセルがあったが、県境稜線の笹藪が雪に埋もれたメリットの方が大きい。北斜面の籔は完璧に雪に埋もれていたが南斜面の雪はほぼ消えていた。稜線直上は場所により籔が出かけていた。伐採地では障害物ゼロで大展望を楽しめた。山頂は木に囲まれているが東側は伐採地で展望良好。帰りは林道を2か所でショートカットし、所要時間を大幅短縮できた。特に標高1460m〜1200mショートカットは作業道もあり効果的


ルート図


旧加子母村境界ゲート。冬季閉鎖する 林道分岐の案内標識。右に入る
林道分岐の車止め。進入可能 林道を車で進む
2つ目のカーブにゲート。手前に駐車スペースあり 真弓峠方面分岐(左)
崩れた個所。全体的には良好な路面が続く 日当たりが悪い場所は残雪
振り返る 潜るのはこれくらい
間もなく真弓峠。南斜面の林道区間は雪は無い 真弓峠のゲート
さらにゲートあり これが高樽山に至る県境尾根。籔が出ていそう
王滝側の林道は除雪されていた 北側に回り込んでから県境稜線目指した
伐採地らしい。籔は完全に埋もれている 新雪を踏みしめて登っていく
振り返れば木曾御嶽 間もなく県境稜線。鹿避け柵があったが雪に埋もれていた
県境稜線に出た 緩やかな稜線を歩く
北側斜面は大規模に伐採されている 1660m峰から見た木曾御嶽
1660m峰で尾根が南に曲がる 1660m峰から見た高樽山
1660m峰から見た井出ノ小路山。今なら籔の心配なく縦走可能か
1650m鞍部から見た岐阜西部の山々(クリックで拡大)
最後の登り 高樽山山頂
山頂標識
高樽山山頂東側から見た中ア(クリックで拡大)
下山は往路を戻る 往路と別れて県境尾根を下り続ける
笹と残雪 東側の方が残雪が多い
眼下に林道が見えてきた
峠直前のみ雪が完全に落ちて笹藪 真弓峠から見た県境尾根
標高1460mで林道を離れ尾根を下ってみる 僅かに進むと想定外の作業道が登場
道が続く 傾斜が急になっても尾根上に道あり
林道直上で崖を避けて左にトラバース 林道に出た。作業道入口に赤テープを残した
標高890m鞍部でも林道ショートカット 作業道が尾根上にあるが、斜面をまっすぐ下る
斜面入口。かなりの急斜面 少し傾斜が緩んで安全区間
笹藪登場だが下りなら問題なし 林道直前は灌木藪が鬱陶しい
この下が林道 林道より下ってきた斜面を見上げる
ゲートまで2分のところで林道に出た


 西股山は阿寺山地で木曽川の飛び出したピークで山名が記載された中では最高峰。登山道はなくこの標高で阿寺山地では笹藪必至だが、山頂近くまで林道があり、これを利用すれば籔漕ぎの距離は短くて済む。南斜面なので笹が濃そうだが・・・。林道は黒沢沿いにあるが起点にゲートがあるのは確認済みで、片道10km以上を歩かねばならない。ネットで記録の有無を検索したが、ヒットした1件はアクセス不能だった。

 ゲート前は広く駐車可能。施錠されたゲート横の通用口?をくぐって長い林道歩きを出発。今も弱い雪が降っているが昨日はここでも本格的に雪が降ったようで林道は白いが、この標高では積雪は数mmしかなく問題ない。歩き出して10分程度で林班案内図があり林道名も出ていた。それによると西股山近くまである林道は白川林道支線と呼ぶようだ。あちこち分岐する林道名も書かれていた。

 橋を渡る個所では地形図を見て現在位置を確認、3つ目の橋で目的の林道は右に曲がるが、そちらは「白川林道」、このまま直進は小川殿林道だった。一度高度を上げてヘアピンカーブを曲がると傾斜が緩む。少し進むと「至卒塔婆山 200林班」の標柱が立った作業道入口。まさか卒塔婆山山頂まで道があるのか? いや、たぶん200林班に至る道なのだろう。そこから10分ほど進んだところにも形状は異なるが同じ表記の看板が。帰りに確認してみるかと思ったが、よく考えたら別の林道から登るのだからこの作業道を使うかどうかわからない。

 地形図に小屋マークがある分岐には小さな造林小屋。分かれる林道は山ノ神林道だった。除雪は山ノ神林道がされていて、西股山に向かう林道は積雪だ。次のベロ沢林道分岐の橋を目的の林道が右岸に渡る橋と間違えて入ってしまったが、地図と道の付き方が違うことに気づいて10分程度のタイムロスで済んだ。

 林道が右岸に移ると北斜面に変わり積雪が一気に増えて足が重くなり、出発から3時間以上経過しているので休憩、ワカンも装着。多少楽になったが軟雪区間は足が重い。周囲は唐松植林で落葉し、斜面に付いた林道がどう延びているのか見えたが、地形図の終点よりも先、沢を渡った先にも林道がつながっていた。沢を回り込んで南斜面に入ると雪の量は減って雪質が締まり歩きやすくなった。ここから山頂目指すのが最短距離だと思われるが南斜面は笹が露出しており、王滝村との境界尾根まで上って、残雪があるだろうその北斜面を登るのが正解と考え林道を進む。鞍部よりやや西で境界尾根を乗り越え、等高線に沿って林道は進む。北側斜面は予想通り残雪に覆われ笹は見えないが、もう少し西に進んで山頂が近付いてから林道を外れて斜面に取り付く。

 この付近は大規模に伐採した後、植林せずに放置して自然に木が生えた状態のように感じられ、シラビソ、ダケカンバ、その他の落葉樹の細い木が密生していた。シラビソの葉には新雪が積もって枝に触れば頭から雪を浴びるため、できるだけ落葉樹の隙間を選んで登っていく。雪質は最悪化と思いきや、新雪はあるがその下の雪は締まって歩きやすかった。

 標高が上がると檜植林に変貌、僅かに笹が顔を出しているがほぼ完全に雪に埋もれ障害物ゼロ。山頂部はなだらかで顕著なピークはなく、GPSの表示と木に巻きつけられた目印で場所を特定。積雪で三角点の確認は不可能だった。周囲は檜植林に囲まれて展望も日差しもない。休憩するには寒い場所なので林道に戻って日向で休むことにし、往路より少し東寄りに下って林道に出て、町村界稜線を南に下ったカーブで休憩。この時間帯は日差しがあり、ザックを下敷きにして横になったら30分くらい寝てしまった。

 時間も体力も予想以上に消耗したので卒塔婆山は割愛しようかとも考えたが、せっかく長い林道歩きをしたので2度手間にならないよう計画通り片づけることに。造林小屋を通過して「分渡沢白山林道(上重沢林道)」に入る。除雪されていないが南斜面なので雪は少なく足が軽い。標高1400m手前で横移動に変わり、その後下り始めた。GPSで山頂までの方位、距離を見ながら取り付き場所を考えていると右斜めに上る廃林道発見。林道の逆側(下り方向)は刈り払われた作業道があったが、その続きの上り方向には道が無い。廃林道がその代わりの可能性もあるとの考慮もあった。

 廃林道は100m程度の短距離でがれきの置かれた平地の先で終わり、鹿避け柵に囲まれた伐採地が続く。伐採地の籔は少なく、柵内部に入るドアがあったので内部に入って茨籔を抜けて斜面を登る。僅かな水が流れるごく小さな沢沿いが最も籔が薄いのでそこを選ぶが、やがて笹藪に突入。しかし標高の影響か高さは腰から胸で高密度ではなく、視界が得られるのも助かった。

 できるだけ籔が薄い個所は小さな谷間で、疲れた足で登っていくと伐採地最上部で再び鹿避け柵登場。それより上部は背の高い檜植林に変わると同時に背の高く高密度の笹藪も登場。立ち木を利用してどうにか柵をよじ登り、笹藪をかき分け始めるが新雪が乗って雪を被るようになり、ゴアを着たが手袋と袖の間から雪が入るため、カバーが長いオーバーミトンを追加装着。雪対策はOKになったが踏みつけた笹の上に乗りながらの籔漕ぎで頻繁に足が滑ってコケる。

 伐採地との境界付近が最も籔が深く苦労するが、進むにつれて徐々に薄くなり調子が上がってくる。笹の高さも低くなって視界が開け、籔の薄い所を狙って登れる。谷間を登ってきたので左右両方に高みが見えるがまずは西側に向かう。稜線に出て傾斜が無くなると格段に籔漕ぎが楽になる。GPSの表示によると三角点までの距離は東に約200m。ピークは東西に長く最高点は不明確だが、とりあえず一番高そうな場所に立つ。発達した檜植林で全く展望なし。標識や目印も皆無だ。目印をつけようとしたが檜が太すぎて無理だ。地形図上の最高地点を後にして三角点を確認するため東へ進む。

 笹藪でも傾斜の無い横移動は楽だ。新雪は多くはなく雪が埋もれるほどではないので笹をかき分けながらだ。部分的には笹が寝ている個所もあるが立ったままが大部分だ。小鞍部を越えて登った小ピークがGPSの示す三角点の位置だったが、寝た笹と雪で三角点探索は不可能だ。東隣の小ピークに目印が見えたので行ってみたが、地面付近は同様の状況でちょっと探したくらいでは三角点は見つからなかった。

 場所をピンポイントで特定できたわけではないが最高点及び三角点峰は踏んだので納得の下山開始。笹が深くてコケ易いが登りと比べれば大幅スピードアップだ。三角点峰から下ったので南に延びる小尾根に乗ったが、伐採地との境界線上で鹿避け柵が登場。柵の外は笹が深いので再び乗り越えて柵の内側へ。できるだけ歩きやすいところを広いつつ下っていくと往路で辿った小さな沢に到着。その先も籔があるので往路と完全に同じルートではないが、最後は柵のドアにピタリと到着した。林道に戻って休憩。

 次は黒沢沿いの白山林道に乗り移るが、林道を歩くと距離が無駄になるので斜面をショートカットする。目の前には刈り払われた作業道入口があり、これを辿ればたぶん往路で見た「至卒塔婆山 200林班」の2つの看板のうちどちらかに出ると予想。もしとんでもない方向に下ろされそうになったら適当に下ればいい。

 作業道は最初は明瞭だったが進むに従い笹が薄くなると同時に不明瞭になり、目印が無いとルート判別が難しくなり、やがて全く分からなくなった。その頃には発達した檜植林となり籔皆無なので適当に下れたため、作業道は無視して歩きやすい所を下っていった。やがて右手に植林帯が登場、鹿避け柵も登場し、先ほどと状況が似ているが、今度は柵に沿って明瞭な作業道が登場した。辿っていくと林道に到着、往路で2つ目に見た標識の作業道だった。

 あとは淡々と林道を歩くのみ。僅かに残った雪の上の足跡は私のものだけだった。ゲートに到着しても車は私の1台だけ。出発から10時間を越える行動時間は久しぶりで、歩いた距離は20kmを越えて膝が疲れた!


補足にヤマレコの記事もどうぞ(PDFファイル。ここをクリック)

 

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